創造都市・ニューカッスル編

 

今日、日本の都市や地域のあり方に注目が集まっています。「地域活性」「まちおこし」といったキーワードをよく目にします。
そこで今回は文化、芸術を切り口にして、それらを活かしたまちづくりの事例などをご紹介したいと思います。

 

初回となる今回は、イギリス・ニューカッスル。

 

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都市再生や創造都市の成功事例としてよく挙げられます。この場所は昔、鉄鋼や造船で栄えた都市で、日本の軍艦も多く製造されていたそうです。しかし、産業構造の転換等で産業が衰退していき、それに伴い20世紀後半からは工場の多くがなくなってしまい、失業者も続出、その地域は荒廃していきました。

 

そんな中、創造都市となっていく最初のきっかけになったのが、ANGEL OF THE NORTHと名付けられた高さ20メートル、幅54メートル、重さ200トンという巨大彫刻の制作でした。この作品はアントニー・ゴームリーによって作品プランが発表されました。

 

ANGEL OF THE NORTH

ANGEL OF THE NORTH

しかし、最初は地元の人からは大反対され、メディアからも散々に叩かれてしまうような状況でした。それでもアーティスト自身が現地に赴いて、ワークショップをするなどの地道な活動と忍耐強い説得により、1998年に完成しました。そしてこの作品にはこの都市で培われ、衰退していった造船・鉄鋼技術が作品に使われ、そのことが話題となり観光客が殺到しました。

 

この成功を機にさらに開発は進みました。製粉工場だった場所の内部を改装して作られたバルチック現代美術センター。ここではアーティストが滞在し作品を作っていくというコンセプトで運営されています。その他にもノーマン・フォスター設計のセージゲーツヘッド・ミュージックセンターなどが作られました。

 

そして現在では荒廃していたエリアが大きな変貌を遂げるに至っています。
これは決して場所だけの話ではなく、そこに住む人々の意識を変え、誇りを取り戻すことにも繋がっています。

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