万物の理論によって導かれた大人のラブストーリー、映画『博士と彼女のセオリー』

第87回アカデミー賞で主演男優賞に輝いた『博士と彼女のセオリー』。本作は、難病ALSと闘いながら研究に打ち込んだスティーヴン・ホーキング博士と、彼を支えた妻ジェーンとの愛の奇跡を綴ったヒューマンドラマです。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)とは、脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が侵される病気のこと。筋肉を動かそうとする信号が伝わらなくなり、筋肉を動かしにくくなったり、筋肉がやせ細ってきます。ホーキング博士を演じたエディ・レッドメインは、肉体の自由が徐々に奪われていく様を体現し、これまであまり知られていなかった、夫や父親としてのホーキング像を見事に演じました。

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(c)UNIVERSAL PICTURES

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妻ジェーン役はフェリシティ・ジョーンズ。1963年、英国ケンブリッジ大学大学院で理論物理学を研究するスティーブンは、友人とパーティーに行き、同じ大学でスペイン詩を学ぶジェーンに一目ぼれをします。チャーミングな理系男子のスティーブンと快活で聡明なジェーンが恋に落ち、一緒に過ごす学生時代は、本作の見どころのひとつ。ジェーンが身につけたドレスは、とても清楚で、女性らしさが際立っています。

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リアルな大人のラブストーリー

さて、余命2年と宣告されたホーキング博士は、ご存知のように今もご健在。2015年1月に73歳を迎えました。ジェーンもご健在ですが、現在はこの二人はご夫婦ではありません。ホーキング博士は、妻に支えられながら研究に打ち込み、子供にも恵まれ、目覚ましい業績によって、世界的な名声を得ていきます。しかし、夫の介護と子育てに献身的に立ち回るジェーンは、疲れ果てて、精神的にも追い詰められていくのです。ホーキング博士とジェーンは、息子と母親のような関係へと変容し、もはや同じやり方では続けられない限界に達します。

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ジェーンは母親に勧められ、教会の聖歌隊に入り、聖歌隊の指揮者で、妻を亡くし心に傷を抱えるジョナサン(チャーリー・コックス)に出会います。ジェーンとジョナサンは恋に落ちますが、ジョナサンのジェーンに対する愛情はとても控えめです。やがて、ホーキング夫妻とジョナサンの不思議な三角関係が始まります。

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相互作用によって導かれる人生

どんな結婚生活にも、さまざまな困難があり、夫婦関係は変化していきます。ホーキング夫妻は離婚という選択をしましたが、その後も二人は友人として、そして、子どもだちの父と母として、穏やかな交流を続けているそうです。本作は、さまざまな困難に直面しながら、ともに歩んできたホーキング夫妻の奇跡を、リアリティのある大人のラブストーリーとして描いています。本作の原題は『The theory of everything(万物の理論、自然界の四つの力、素粒子の相互作用とも訳される)』。感情や常識にとらわれず、普遍的なものを探求してきたホーキング夫妻の生き方に重なるのではないでしょうか。

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作品名:『博士と彼女のセオリー』
公開日:3月13日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
公式サイト:http://hakase.link/
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