ティム・バートン監督らしさの原点、「ビッグ・アイズ」という問題作

『シザー・ハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』など、独特のファンタジックな世界を描いてきたティム・バートン監督の最新作『ビッグ・アイズ』が、いよいよ日本でも公開されます。これまでの作品と違って、今回の『ビッグ・アイズ』は実話に基づいて制作されました。『シザー・ハンズ』の人造人間や『チャーリーとチョコレート工場』のウィリー・ウォンカのお菓子工場など、架空の人物や舞台ではなく、1960年代のサンフランシスコを舞台に、成功をおさめた画家夫婦の物語が進行します。

ティム・バートン監督らしさの原点

© Big Eyes SPV, LLC. All Rights Reserved.

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これまでの作品とは明らかに異なりますが、ティム・バートンらしさは健在。悲しげな大きな目の幼い女の子を描いた「ビッグ・アイズ」シリーズが醸し出す、不気味かわいい雰囲気は、ティム・バートン監督が表現してきた世界観に通じるものがあります。ティム・バートン監督ご自身が、「ビッグ・アイズ」シリーズの大ファンだと述べているように、「ビッグ・アイズ」という作品と作者へのオマージュが感じられる作品に仕上がっています。

「ビッグ・アイズ」という問題作

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物語の主人公は、実在の画家マーガレット&ウォルター・キーン夫妻。「ビッグ・アイズ」シリーズは、1960年代のアメリカで人気を博し、ポストカードやポスターの販売によって、夫妻は名声のみならず富をも手に入れました。ポピュラーな存在でありながら、当時の批評家からの評価は高くはなかったようです。幼い女の子というモチーフの描き方は奈良美智さんの作品を連想させますが、業界内外の評価という観点から見ると、クリスチャン・ラッセンが思い出されます。半世紀を経て、「ビッグ・アイズ」シリーズの独特の存在感が際立ってきたと言えるでしょう。

60年代セレブのカラフルなファッション

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「ビッグ・アイズ」シリーズは、ウォルターの作品として世に送り出されました。しかし、実際に描いていたのはマーガレットでした。ペテン師のような一面と、カリスマ性を持ち合わせたウォルターの才能によって、内気な性格のマーガレットの作品は広く知られるようになり、夫妻はセレブリティの仲間入りをします。若い画家が出会い、セレブリティの仲間入りを果たす場面は、カラフルな60年代のファッションやインテリアも見所のひとつです。

ポップアートが台頭した60年代

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作者であるはずのウォルターはテレビ番組やパーティにひっぱりだこ。妻のマーガレットは豪邸のアトリエに引きこもり、作品制作に没頭します。「ビッグ・アイズ」の表情はますます悲しみの色を濃くし、ウォルター夫妻の関係も不協和音を奏でるようになります。法廷でのやりとりは、60年以降のモダンアートの歴史を振り返るひとつのきっかけとなるでしょう。

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作品名:『ビッグアイズ』
URL:    http://bigeyes.gaga.ne.jp/
公開情報: 2015年1月23日(金) TOHOシネマズ 有楽座他全国順次ロードショー
コピーライト:© Big Eyes SPV, LLC. All Rights Reserved.
配給:ギャガ

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