伝統とイノベーションが交差する、ルイ・ヴィトンのブラウン

フランスを代表するブランドのひとつ、ルイ・ヴィトンには、「ダミエ」「エピ」「タイガ」など、さまざまなラインがあります。しかし、アルファベットのLとVに、4枚の花弁をもつフラワーモチーフのバリエーションを組み合わせた「モノグラム」の存在感が際立っています。ルイ・ヴィトンでは、2014年、「永遠のアイコン「モノグラム」を讃えて “アイコンとアイコノクラスト”」と銘打って、スペシャルコレクションを展開しています。

6名のアイコノクラスト

今回、アイコノクラストとして起用されたのは、クリスチャン・ルブタン、シンディ・シャーマン、フランク・ゲーリー、カール・ラガーフェル ド、マーク・ニューソン、川久保玲の6名。ウェブサイトには、6名のイニシャルが並びます。それぞれ異なる色づかいのイニシャルが象徴するように、ユニークかつ遊び心あふれる手法で、「モノグラム」に新しいイメージを与えています。

Louis Vuitton Celebrating Monogram


 
 

C.L クリスチャン・ルブタン(赤と黒)

Louis Vuitton Celebrating Monogram Creative Story: Christian Louboutin by Gordon Von Steiner
http://youtu.be/GWqUnEWq9G4

クリスチャン・ルブタンは、自らのシンボルカラー、レッドソールの赤、そしてスタッズを大胆にあしらったバッグをデザインしました。フィルムでは、ベージュのコートを着た男女がパリの街を歩きます。
 
 

C.S シンディ・シャーマン(イエローとオレンジ)

Louis Vuitton Celebrating Monogram Creative Story: Cindy Sherman by Johnny Dufort
http://youtu.be/Wo8PW1gQ6bU
シンディ・シャーマンは、カラフルな引き出しを備えた、大きなトランクをデザインしました。フィルムでは、パステルピンクのコートを着た女性が、このトランクの持ち主として登場します。

 
 

F.G フランク・ゲーリー(ブルーの濃淡)

Louis Vuitton's Celebrating Monogram Creative Stories: Pierre Debusschere interprets Frank Gehry
http://youtu.be/r-fih_ECmsA
フランク・ゲーリーは、建築家らしい3Dフォルムのバッグをデザインしました。サイドに付けられた、LVのサインが刻印されたブルーのレザーがアクセントになっています。

 
 

K.L カール・ラガーフェルド(グレーと黒)

Louis Vuitton Celebrating Monogram Creative Story: Karl Lagerfeld by Colin Dodgson
http://youtu.be/1S6RMl33NhI

カール・ラガーフェルドは、サンドバッグやグローブなど、ボクシングから着想を得たアイテムをデザインしています。

 
 

M.N マーク・ニューソン(グリーンとイエロー)

Louis Vuitton Celebrating Monogram Creative Story: Marc Newson by Michael Avedon
http://youtu.be/HKt9NIg8Kkg
マーク・ニューソンは、ボア素材を組み合わせたカジュアルなリュックサックをデザインしました。フィルムには、水着を着用した二人のモデルが海辺で戯れる様子が描かれています。

 
 

R.K 川久保玲(黒)

Louis Vuitton Celebrating Monogram Creative Story: Rei Kawakubo by Jennifer Livingston
http://youtu.be/GESiCcOm9cI
川久保玲は、ファブリックに穴を穿ち伝統的なモノグラムの破壊を企図しました。フィルムは、白い背景に女性とバッグのフォルムが黒く浮かびあがり、異型の美が表現されているようです。

モノグラムの歴史

ルイ・ヴィトンの創業は1854年。翌年の1955年、第一回パリ万国博覧会が開催され、日本は第二回となる1867年のパリ万国博覧会に、初めて参加しました。パリ万博をひとつのきっかけに、日本の美術工芸品は、フランス美術界に衝撃を与え、ジャポニズムという潮流が生まれました。「ダミエ」(1885年)や「モノグラム」(1896年)は、マネやロートレックが斬新な作品を発表した時代に考案されたデザインです。

「モノグラム」には、さまざまなバリエーションがあります。1998年、マーク・ジェイコブスが服飾部門のデザイナーに就任し、エナメル加工を施した上質のカーフスキンにモノグラム・モチーフを型押した「ヴェルニ」がラインに加わりました。2003年には、アーティスト村上隆とのコラボレーションによって、「マルチカラー」がラインに加わりました。

素材と色の組み合わせから生まれる意外性

カラフルな「ヴェルニ」や「マルチカラー」はカーフスキンですが、ブラウンの「モノグラム」はレザーではなく、エジプト綿に塩化ビニールコーティングを施した「トアル地」と呼ばれる素材が使われています。「トアル地」は非常に軽く、柔軟で耐久性があるだけでなく、完全な防水性も備え、表面に傷が極めてつきにくい性質を持っています。しかし、持ち手、パイピング、金具まわりには、メンテナンスが難しい「ヌメ革」が使われています。新品は薄い黄土色のような色ですが、使っているうちにエイジングが進み、飴色のような味のある色になります。モノグラムの魅力は、パターンの美しさだけでなく、意外性のある素材と色の組み合わせにもあるようです。ルイ・ヴィトンは、富裕な上流階級を顧客とし、パーソナルな欲求に応えてきたブランドです。モノグラムのデザインには、イノベーティブなものづくりを受け入れてきた顧客たちの価値観が見え隠れするのではないでしょうか。

使い手によって育まれるブランドイメージ

ルイ・ヴィトンは、コラボレーションによって大胆な発想を受け入れると同時に、ユーザーの裾野を広げてきました。今回のスペシャルコレクションは、ファッション、アート、アーキテクチャー、プロダクトデザインなど、異なる領域の第一線で活躍する6名のアイコノクラストを起用しました。最近の注目は、作り手から使い手へと移行しています。例えば、ジェシカ・アルバやアンジェリーナ・ジョリーは、クリスチャン・ルブタンが手がけたスタッズ付きのバッグを、リアーナはフランク・ゲーリーの3Dモデルをというように、誰がどのアイテムを選び、どのようにコーディネートするのかが注目されています。新しいモノグラムを手にしたセレブたちの新しいファッションにも注目してみてはいかがでしょうか。

参考
ルイ・ヴィトン公式サイト - LOUIS VUITTON 永遠のアイコン「モノグラム」を讃えて “アイコンとアイコノクラスト” 

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