【コイズミタダシ インタビュー】見る人を笑顔にする、金属で紡ぐストーリー

色×インタビュー

【コイズミタダシ インタビュー】見る人を笑顔にする、金属で紡ぐストーリー

素晴らしいプロダクトには、作り手の意匠が込められています。それは製法なのか、想いなのか、歴史なのか。そんな魅力をお届けするブランドインタビュー。
今回は、ブロンズ、銅、シルバーを用いてオブジェやアクセサリーを展開する「コイズミタダシ」の小泉 匡さんにお話しを聞きました。


 
 


 
 

ーー小泉さんは、エディンボロ大学、マイアミ大学院を卒業して、この仕事に就いたんですよね。

 

就いたというか、辞めるタイミングを逃した、という方がしっくりくるかな(笑)。いいタイミングでいい人たちと巡り会えて、この人たちと同じ世界でもう少し頑張ってみようかな、と思っているうちに今になってしまった、という感じです。

 
 

ーー大学では、今やっているようなことを学んでいたんですか?

 

大学ではもともと映像を専攻していたんですが、2年生のときに選択科目である金属工芸の授業をとったんです。それが始まりでしたね。陶芸など他の授業では、作りたいモチーフがなかなか浮かばなかったのに、なぜか金工だけは作りたいものがすぐに決まっていきました。技術的には絶望的だったけれど、楽しくてたまらなかったので、きっと向いていたんでしょうね。

 
 


 
 

ーーとっても小さいのに、一つ一つ表情が豊かで、見ていると笑顔になります。

 

パッと一目見ただけでは、何かわからない点が、いいのかなと思います。「何だろう」と近寄って、手にとってみて「あぁ。人だ、人がいる。」といって喜んでくださる方はとても好きです。そういう素敵なお客様には「今みたいなのを“アハ体験”といって、脳が活性化するそうですよ」と耳打ちすることも(笑)。
嫌なことや悲しいことがあった日でも、見ればフッと笑ってしまうような、温かく寄り添える作品を作りたいですね。


 
 

ーーよーく見ると、本当に細部までこだわっていますよね。

 

「型をとって、複製しているんですか」と聞かれますが、型はとらず、はじめから一つ一つ作るようにしています。型を使って複製すれば全く同じように作れますが、何度も作っていると少しずつ上手くなっていくんです。実際、1年くらい前に作ったものを見ると、「誰だ、こんなの作った奴は」と驚くくらいに違いがはっきり分かります(笑)。作り手としては、こうゆう部分も1点モノの良さじゃないかな、と思っています。

 
 


 
 

ーー小人たちの背景が見えるような、深みのある色合いも魅力的です。

 

ブロンズはもともと5円玉のような金色なんですが、酸化させて黒く仕上げています。時間が経ったり服などで何度もこすれたりすると、黒味がとれてきて、磨かれたような金色が出てくるんです。そういう変化を、使い込むほどに馴染んでいく革製品のようなイメージで、楽しんでいただけたらうれしいです。

 
 


 
 

ーー作品を見た方たちからはどんな反応がありますか?

 

まず「作品は小さいのに、本人は大きいですね」とは、もう100回くらい言われました(笑)。
「ずっと見ていられる」という言葉をもらったときは、すごくうれしかったです!


 
 

ーーこれからの展開も楽しみですね。

 

現在、月刊誌の表紙を担当させていただいたり、靴下のデザインをさせていただいたりと、まさにチャレンジの真っ只中です。なので当分はチャレンジしたいことはありませんが(笑)、ただただ一生懸命、制作を続けていくことで、何か新しいチャレンジが自然に生まれてくればいいな、と思っています。