おいしい黒デミグラスソースは、五反田にあり。

 

その洋食店のデミグラスソースは、黒い。
昭和25年にオープンしたグリルエフは、
五反田駅からほど近い、路地裏にある。

 

お店に入ると、そのレトロさに思わずうっとりする。
BGMは、厨房から聞こえる調理の音だ。
音楽はかかっておらず、古き良き洋食店の趣が
そこはかとなく漂っている。

 

シェフの長谷川清さんにお話をうかがった。

 

「高校を卒業して、洋食か中華の店で働きたいなぁと漠然と思っていました」

 

下積み4年目にして、厨房の要である「ストーブ前役」に大抜擢。

 

「当時の先輩たちは不安だったでしょうね」と笑う。
揚げる、炒める、煮る……
すべての火入れを担当し腕を磨いた。

 

開店当時から受け継がれるのが、漆黒のデミグラスソース。
「デミグラスソースはつぎたしです。
圧力鍋などの最新機器は使わず、昔ながらの方法で作り上げています」

 

黒さの秘密は、焙煎。
小麦粉を焦がすことで、他のお店にはないコクと深みが実現する。

 

ビーフシチューに使われているのは
牛バラ肉の「ブリスケ」と呼ばれる部分だ。
バラというのは脂が強い部位だが、
ブリスケの脂はくどくない。
関東近郊のいいブリスケを仕入れられるのは、
業者さんとの長年のお付き合いの賜物。

 

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お店がどうあって欲しいかたずねると……
「開店から64年が過ぎて、建物も老朽化している。
潰れないことを願うばかりだよ」と笑う。

 

長谷川シェフが生み出す漆黒のデミグラスソースを求めて
親子2代、3代で通う常連客も多い。
伝統の味わいが、今も、これからも受け継がれていくことを
願ってやまない。

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グリルエフ
東京都品川区東五反田1-13-9
03(3441)2902
11:00〜14:30/17:00〜21:00
日曜・祝日休
JR五反田駅より徒歩約2分

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