60年代ファッションのエレガンスは、細部に宿る

物語の舞台は、ロイヤル・ウェディングから6年後

グレース・ケリーは、20世紀を代表する女優のひとり。人気絶頂期の1954年、映画『泥棒成金』の撮影で初めてモナコを訪れます。翌年のカンヌ映画祭で、モナコ大公レーニエ三世と出会って恋に落ち、ハリウッドでの華々しいキャリアを捨てて、モナコ公国の公妃として新しい人生を歩むことを選択しました。レーニエ公とのロイヤル・ウェディングは、現代のおとぎ話として語り継がれています。

(C)2014 STONE ANGELS SAS

(C)2014 STONE ANGELS SAS

本作で、グレース公妃を演じるのは、ニコール・キッドマン。物語の舞台は、ロイヤル・ウェディングから6年後。激しい国際政治の駆け引きのなか、危機に直面したモナコで、グレースは“完璧な公妃”になる決断をします。

60年代ファッションが映し出す、グレース公妃の生活スタイル

本作は、カルティエやクリスチャン・ディオールなどの協力を得て、制作された華やかな宝飾品のレプリカやドレスが注目されています。しかし、伝記映画ではなく、現代に生きる私たちの心にも響く人間ドラマとして制作された本作には、華やかな社交シーンの合間に、家族やモナコの人々に寄り添うような親しみやすい装いも見られます。

(C)2014 STONE ANGELS SAS

(C)2014 STONE ANGELS SAS

1960年代は、オートクチュールのメゾンがプレタポルテ(既製服)に力を入れ始めた時代。オートクチュールからプレタポルテへと変化した背景には、社会的な変化の中で上流階級の生活スタイルが変化したことがあげられます。グレース公妃も、ハリウッド時代の人脈を活かしてチャリティーイベントを開催したり、バレエ学校や劇場の再生にも尽力するなど、新しい時代の公妃として、偉大な功績を残しました。

60年代エレガンスの仕上げは、グローブ

(C)2014 STONE ANGELS SAS

(C)2014 STONE ANGELS SAS

本作はPRの一環として、衣装デザイナーのジジ・ルパージュのスケッチも公開されています。ルパージュは、60年代ファションを再現するため、当時有名だったスタイリストのアーカイブを参照したり、グレースが好んだマルク・ボアンを訪ねるなど尽力し、44点もの衣装を制作しました。ルパージュが制作した秋冬の装いから、比較的カジュアルな装いを見ていきましょう。3つのコーディネートに共通するのは、ハットもしくはスカーフ、ハンドバッグとパンプス、そして、グローブです。

(C)2014 STONE ANGELS SAS

(C)2014 STONE ANGELS SAS

淡いイエローは、60年代の流行色のひとつ。グレースのお気に入りの色でもあったそうです。ルパージュが参照したのは、特別なデザイナーの服ではありませんが、肘が隠れる袖丈のジャケットに、手首までの短いグローブが絶妙なバランスを保っています。「ケリーラップ」と呼ばれるスカーフの巻き方は、日本では、岸恵子さん主演の映画『君の名は』をひとつのきっかけに、「真知子巻き」として流行しました。

(C)2014 STONE ANGELS SAS

(C)2014 STONE ANGELS SAS

小さな帽子も、グレースが愛用したアイテムのひとつ。ルパージュは、60年代に流行した典型的なコートに合わせました。肩のシルエットはなだらかで、お袖は短いけれど、ボリューム感のあるコート。肘を覆う丈のグローブを合わせています。色は、ネイビーとホワイト。インナーはドット柄。色、柄、ボリュームのバランス感覚は、60年代風コーディネートの参考になりそうですね。

(C)2014 STONE ANGELS SAS

(C)2014 STONE ANGELS SAS

ティールブルーのスーツは1961年のジャン・パトゥのスケッチから再現されました。深いマゼンタのつば広のハットの色を、ベルトとシューズにリフレインし、バッグとグローブの黒で引き締めています。パリのカルティエの前に詰めかけた報道陣を前に、グレースはこの装いで、重大な発表をします。自分の意志で新しい人生を切り拓いていく、グレースの決意にふさわしい色づかいではないでしょうか。

(C)2014 STONE ANGELS SAS

(C)2014 STONE ANGELS SAS

作品名:『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』
URL:http://grace-of-monaco.gaga.ne.jp/
公開情報:10月より、TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー
コピーライト: (C)2014 STONE ANGELS SAS

RELATED ARTICLES